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扉をばん! 15分日記1117

どんなに酒好きな私でも、コーヒーで締めたい夜というものがごくたまにある。といってもさんざん飲みさるいたあと、終着駅になってくれるようなコーヒー店は、この中心街に一軒しかない。平日はAM2時、週末は24時間営業という天才的な喫茶店様・「珈琲中川」だ。もう帰りたそうなツレの手をむんずと掴み(こころのなかで)、ほら!さいご!コーヒー飲もか、行こ! 扉をばあん!と開く。まるで今この瞬間から夜は始まるのだよ知ってる? くらいの勢いで。頼むものは決まってる。特段甘党ではないのに、クリームがぷりん、とのったココアとかウインナーコーヒーとか。森から切りたての切り株みたいなミルクレープとか。そういうものをここでは頼む。ちいさなミルクレープを、やけに時間をかけてたべる。さんざん飲んだあと、ちょっとだけ頭をクリアにする。今夜話したことはほとんど忘れているから、目の前の人にもう一度向き合う。最後の60分。こういう静かな時間を、本当はとても愛している。