その人は植物の声を聞くことができて、
その人は駆けるように山を歩く人で、
その人はくるんくるんのパーマに枯葉をつけて運転席に乗りこむような人で、
その人は採算度外視の仕事を自分の休みの日に請け負うような人で、
その人はいつも「私なんかのためにありがとう」とたびたび言う人で、
その人はひまを見つけてはタバコを吸う人で、
その人は下着と、歯ブラシをローソンで買って、我が家に泊まりにきた。
これから私が書いていく、ふにゃっと格好いい女性のことだ。
このサイトをつくって一番よかったと思ったことは、
いくつもの参考サイトに載せてもらったことや
実績をきれいに整理できたことではなくて、
パハプスの北島さんに「見つけて」もらったことだと思っている。
サイトのある場所にちいさく
これからやってみたいことに「小説」を掲げていたのだけど、
「福永さんのサイトにやってみたいと書いてあったので」と
ご連絡をいただき、キキキや泡を読んでもらって
北島さんとマリさんとのプロジェクトがスタートした。
キキキの準備を始めた当初は、「すきじゃないけど得意なこと」を
仕事にしていることへの争(あらが)いのようなものがあって、
たしかに今年の初めごろは、そんな気持ちでいたのだけど。
すくなくともこの領域、いちから物語をうみだすこと
にかんしては、仕事とそうじゃないもののあわいにあるようなもので。
「これがわたしの好きなことなんですか? ええと、逆に
得意じゃないかもしれないんですけど」なんて
つるっと言葉が出そうで、ふしぎだ。
11月15日〜16日のフィールドワーク。
佐賀からお迎えした北島さんとマリねえさんと
宇土/食卓manoからの松橋/プレイファーム
そして火吹き車に右往左往したのち、(マっっジ焦った)
夜の中心街・悦びツアーへ。
翌日は松高くんを八代から呼び寄せ
天草〜教良木、老岳山、金性寺をてくてくと。
山にのぼるのはぜんぜん好きじゃないけど、
かわいい苔をさわったり、絡まるつたにおののいたり
お化けのような楠を見上げたりするのは
なんかすごくよかった。曇りなのもよかった。
さて初日は12時から24時まで昼の部・夜の部の宴はつづき
(どのレストランもどの酒場も最高福永ミシュラン!)
信じられない量を食べつづけたぶん、絆は多分ふかまった気もするし。
2日目の18時に2人と駅でバイバイしたときは、
もこもこと顔が、つーかもう全体が、
太っていたはずだ。ん〜2.5キロ?くらい?