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ヒカルと林檎  15分日記1111

「ねえ明日の夜空いてる?」
「ちょっといま電話していい?」

そんな風に聞ける間柄の人に、
人生でどれだけ出会えるだろう。

ぽっかり空いた土曜の夜、20時30分。
ちいさな子どものようにお風呂までばっちりすませて、
友人を家まで迎えに行った。
2人でドライブに行くためだ。

車のなかは、運転席側も助手席側もどちらも
前方を向いているから、
本音が話しやすいのだと、何かの本で読んだ。
なるほどたしかにね。まあいつも本音だけどね。
今夜は限りなくノンストップね。

江津湖〜上天草方面まであてもなく
三時間ていどのバカンス。
どっちが林檎でどっちがヒカルかしらね。
(「二時間だけのバカンス」)

モスのコーヒーシェイクをおともにね、シラフでね。
やんややんやと2人で話したことでここに
書けることなんてひとつもないけどね。

彼女とは友達になって長いわけではないけど、
彼女が迷子になったときも、
私が迷子になったときも、
たよりない言葉を尽くして、
不意にやさしい抱擁を交わす。
「頑張れよ」でも背中を押すでもなく、
「一緒に行く?」と手をとり、前を向く。